萬葉ゆかりの地
三輪山を しかも隠すか 雲だにも 情あらなも 隠さふべしや
額田王(巻1、18)
三輪山は、奈良盆地の南東に、ひときわ美しく立つ山で、古くから民間信仰を集め、畏れられている。いわば大和のシンボル。667年、都が飛鳥から近江大津宮に移されるとき、近江に向かった額田王(ぬかたのおおきみ)が、旅の途中、ふるさと大和を振り返って、この歌を詠んだ。【三輪山をなぜそんなに隠すのか、雲だけでも情けがあるなら、隠さないでいてほしい。】
箸中から見た三輪山