萬葉ゆかりの地
わが行きは 七日はすぎじ 龍田彦 ゆめこの花を 風にな散らし
高橋虫麻呂(巻9、1748)
平城京の人々は、難波(なにわ)に旅するとき、今の奈良県三郷町立野で竜田山を越える道を選ぶことが多かった。高橋虫麻呂たち役人の一行も、ここを通って難波に向かう。竜田山の嶺に咲く桜の花は、春雨で散りかかっているが、【わたしたちの旅行も7日とはかからないから、竜田の風の神様、龍田彦、どうか帰りに立ち寄るまでは、風でこの花を散らさないで。】
竜田川沿いの桜