萬葉ゆかりの地
百済野の 萩の古枝に 春待つと 居りし鶯 鳴きにけむかも
山部赤人(巻8、1431)
奈良県広陵町百済は、奈良盆地の西寄りを南北に流れる葛城川と曽我川にはさまれた地域で、かつては百済野と呼ばれていた。百済野は万葉の時代、移り住んだ渡来人がすぐれた文化や技術を伝えたところで、一種の文化センターとして発展したらしい。山部赤人は、昔よくかよった百済野で、萩の古枝にウグイスがとまっていた光景を思い出しながら、この歌を詠んだのだろうか。
広陵町百済